近年、日本のお墓跡継ぎ事情が変わりつつあります。
これまでは、お墓が代々と受け継がれることが主流でした。
しかし、家族のあり方が変わったため、お墓の跡継ぎ人がおらずお困りの方が多く見られます。
この対策として、【永代供養】と【墓じまい】が挙げられます。
今回は、永代供養と墓じまいの違いについて解説します。
⑴ 永代供養の特徴とは?
まず、永代供養は、どのような意味を持つのか、特徴について解説します。
永代供養とは、供養を寺院や霊園の任せ、永代に渡って代行して遺骨を供養や管理を行なってもらえる供養代行サービスです。
本来、故人の子や孫が供養を行うべきですが、お墓の管理をすることは、精神的ストレスや肉体的ストレスがつきものです。
実際にみなさんもお墓の掃除やお墓までの移動などで、苦労だと感じたこともあるのではないでしょうか。
そこで永代供養をお願いすると、残された親族の方の負担を軽くできます。
永代供養では、永代にわたって代行供養してもらえますが、月額でお支払いすることはありません。
初期にまとめて供養代をお支払いすることがほとんどです。
そのため、子や孫に負担をかけないようにするために、生きているうちに永代供養の支払いを済ませる方も多いです。
生きているうちに自分の死後の供養について決めておきましょう。
⑵ 墓じまいの特徴と手順についてご紹介!
次に、墓じまいの特徴と手順についてご紹介します。
墓じまいとは、お墓の後継者不在によってこれまでのお墓を撤去・処分して土地の使用権を返還することです。
返還した後は、更地に戻すことが一般的です。
無縁墓にならないようにするために、墓じまいをする方がほとんどでしょう。
改葬(お墓を他の場所へ移すこと)や永代供養を行う前に、墓じまいを行います。
その際に、必ずしなければならない墓地や埋葬地に関する法律によって定められた手順があります。
では、墓じまいの手順を4ステップに分けてご紹介しますので、1ステップずつしっかり確認しましょう。
❶ 改葬許可申請書を入手
遺骨等を他の場所へ移動させる場合は、『改葬許可申請書』が必要です。
改葬許可申請書は、遺骨等がある地域の市区町村の窓口で受け取れます。
市区町村によっては、インターネット経由からダウンロードでき、手軽に入手できるので、市区町村役所のホームページをチェックしてみましょう。
❷ 埋葬許可証を準備
一般的にお墓を移す先の寺院や霊園で納骨する際に必要となる書類が『埋葬許可証』です。
火葬したのち、火葬許可証にその旨が明記されて埋葬許可証として戻ってきます。
無くしてしまった場合、再発行できますが、手続きが必要ですので早めに準備しておきましょう。
❸ 受入証明書をもらう
受入証明書は、移転先のお墓の管理者から発行してもらえます。
その際、基本的に手数料はかかりません。
早めに移転先の寺院や霊園の方に連絡して、受入証明書を受け取りましょう。
❹ 改葬許可証をもらう
・埋葬許可証
・受入証明書
・改葬許可申請書
・印鑑
を持ち、遺骨がある市町村の役所に提出
提出すると『改葬許可証』が交付されます。
改葬許可証を受け取ってやっと、遺骨を新しいお墓に移せます。
改葬許可証を手に入れるまで時間がかかりますので、早めに準備に取りかかりましょう。
⑶ 墓じまいの後に永代供養が選ばれる理由
墓じまい後に供養方法として永代供養を選ばれる方が多くなっています。
永代供養への移行が選ばれる理由は、どこにあるのでしょうか。
その理由として、後継ぎ人がいないことや費用を安く抑えられることが挙げられます。
近年、少子高齢化や晩婚化だけでなく未婚者や離婚者の増加により、ライフスタイルが変わってきていますよね。
お墓の後継ぎ人がいなく、家が途絶えてしまうところは、菩提寺が代わりに供養を引き受けます。
さらに、他の供養の方法と比べて比較的に費用を安く抑えられるために選ぶ方も多いでしょう。
墓を新たに建てるとなると一般的に数百万円の費用がかかります。
一方、永代供養で済ませると、およそ5分の1の値段に抑えられ、経済的な負担を軽くすることも可能です。
⑷ 結局、永代供養と墓じまいのどちらを選ぶべき?
墓じまいは、墓石を解体・撤去した後でも、供養の仕方を選べます。
家の近くに改葬したリ、故人の深い思い入れのある土地に散骨をしたりして、新たな形で供養を選択することが可能です。
まだはっきり供養の方法が定まっていない方は、墓じまいをおすすめします。
それに対して、永代供養では委託したあと、合祀されると他の方の遺骨と混ざるため、取り出しができず供養の選択を変えられません。
無縁墓になってしまうかもしれないときや、親族に迷惑をかけたくない方は、永代供養をおすすめします。
※合祀ではなく、個別を選択する事も可能です
❖ まとめ
この記事では、永代供養と墓じまいの違いについて解説しました。
供養方法の問題を解決することは簡単ではないので、時間をかけて最適な供養方法を見つけましょう。
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