後継ぎがおらず、さらに子孫が遠方に住んでいる方にとって、両親や先祖の供養問題は切実な問題ですよね。
最近では供養の種類も多様化していますが、その中でも永代供養や墓じまいという言葉はよく耳にするのではないでしょうか。
そこで今回は、永代供養と墓じまいの違いを解説します。
⑴ 墓じまいや永代供養はなぜ増えたの?
墓じまいや永第供養が増えた主な理由は、少子高齢社会や未婚率の増加、さらに宗教観の変化が挙げられます。
高齢者の方からすると墓参りの負担もありますし、親族がお墓から遠い地域に住んでいる場合はなかなかお墓参りに行けないですよね。
また、子孫に自分のお墓の事で負担をかけたくないと考えている方も多いようです。
このような理由で、墓じまいやそれに伴う永代供養が増加傾向にあると言えるでしょう。
⑵ 墓じまい について
墓じまいとは、お墓を撤去して遺骨を他の墓地に移転し、墓そのものを寺院や霊園からなくすことです。
近年では、長年続いてきたお墓の継承者がいなくなってしまうケースが増加傾向にあります。
このような状況になるのを防ぐために墓じまいをする人も多いようです。
ここからは、墓じまいの特徴を説明していきます。
まず、墓じまいの大きな特徴として、お墓を撤去するためその後の維持費や管理の手間がかかりません。
しかし、寺院の場合には寺院にお渡しするお布施が必要な場合が多いため、事前に確認しておくのがおすすめです。
また、閉眼供養や撤去作業が複雑であるため、完了までにおよそ1年から3年程度かかる場合が多いです。
次に、墓じまいの手順を一緒に確認していきましょう。
墓じまいの際にはたくさんの書類が必要であるため、手順と合わせて4つのステップに分けて紹介します。
① 『改葬許可申請書』を入手しましょう。
改葬許可申請書は、現在のお墓がある地域の市区町村役所の窓口に備え付けられています。
遠方にお住まいの方は、郵送での送付も可能か確認してみるのもいいですね。
② 新たな永代供養墓がある寺院や霊園から埋葬許可書をもらいましょう。
埋葬許可書とは、火葬した遺骨をお墓に納骨するときに必要な書類のことです。
③ 新たな寺院や霊園でもらった納骨許可書を現在の市町村役場に提出して、改葬許可証を発行してもらいましょう。
発行後は、墓地から遺骨の移動が可能です。
申請者自身がそのまま申請できるわけではなく、お墓がある墓地や霊園の管理者や改葬先の管理者の捺印まで必要な点がポイントでしょう。
最後に、閉眼法要をして遺骨を取り出します。
閉眼法要とは、お坊さんに墓前で読経してもらいお墓の故人のよりしろとしての機能を停止させる儀式です。
儀式後は、墓石の解体工事をしてから、墓石を更地にして墓所に返還します。
⑶ 永代供養 について
永代供養では、親族の代わりにお寺や霊園が供養や管理をしてくれます。
親族や友人が自由にお参りに行けるうえに、後継ぎがいない方でも無縁墓になる心配もないため安心でしょう。
そんな永代供養の特徴を確認していきましょう。
永代供養と墓じまいの大きな違いとして、個人や夫婦単位での一代限りの供養が多いことが挙げられます。
また、永代供養では記念碑のようなモニュメントのもとで埋葬される事が多いです。
さらに、年間の維持費がほぼかからず一定期間が過ぎると合祀(ごうし)される場合もあるため、無縁仏になりません。
次に、永代供養の手順を確認していきましょう。
まずは、生前予約の場合の手順を紹介します。
生前予約の場合では、永代供養にかかる費用を事前に支払っておくことで親族に経済的な負担や手間をかける心配がなくなります。
また、ご自身でお墓や埋葬方法を調べる過程で供養についての知識も増えるため安心でしょう。
ただし、契約書やその内容を家族にきちんと伝えることを忘れないようにしましょう。
次に、お墓から永代供養に変更する場合の手順を紹介します。
既存のお墓から永代供養に変更するには、まず墓じまいを行う必要があります。
先ほど説明した墓じまいの手順を終えた後に永代供養墓の見学を行って、供養方法や費用を検討してから、新しいお寺や霊園に御遺骨と改葬許可書を持参しましょう。
その後、永代供養墓に埋葬します。
⑷ 永代供養に必要な書類とは?
永代供養に必要な書類はお寺や霊園によって異なります。
一般的には、申込書と使用許可願書と使用誓約書に記名、捺印して提出します。
さらに、戸籍謄本と印鑑登録証明、身分証明書を提出する必要があります。
その後、契約が締結したら永代供養料を支払いましょう。
また、永代供養料のほかにも墓碑銘に刻印する費用や管理費が別途かかる場合があるので、事前にお寺や霊園に聞いておくと後々のトラブルにつながりにくいでしょう。
❖ まとめ
今回は、墓じまいと永代供養の違いについて紹介しました。
また、先祖代々のお墓なので決断するのは難しいですが、供養の形は人それぞれです。
親族や家族としっかりと話し合い経済的な面も考慮したうえで、自分たちに最適な供養方法を選びましょう。
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